血糖モニタリングツールの進化を体感するの巻

◎まずはじめに

最近知り合った方、検索してここに来られた方もおられるのできちんとお伝えしますと、國枝は17歳から若年2型糖尿病になりました。

やせ型での発症であり、年齢からも考えて、自己免疫疾患で生活習慣病とは異なる「1型糖尿病」の可能性も検査されましたが、結局2型。現在もインスリン自己分泌量は若干量残存していますが、インスリン注射をしています。

食べ物が体に及ぼす影響を知ってると知らないとではめっちゃ損するやん!ということで、病気を機に管理栄養士を目指し、現在に至ります。

いまは糖尿病クリニックでの食相談(栄養指導)や、健康食育を広めるための講演、執筆などを中心に活動しています。

 

◎あらためて、糖尿病のこと

糖尿病は血糖を下げる唯一のホルモン「インスリン」の量や効きの不足によって、慢性的に血糖値が正常範囲を超えてしまう「高血糖症」という病態です。

インスリンは何も食べなくても分泌されている「基礎分泌」と、食事など血糖が上昇するタイミングに応じて必要量出る「追加分泌」があります。

人それぞれ、インスリンの分泌量や効き方は異なりますので、状況に応じて主治医と相談の上で適切な薬物療法を取り入れることもあります(私もその一人です)。

また、血糖値を上げすぎることも問題ではありますが、インスリンや経口薬(飲み薬)の方で気をつけなければいけないのは、薬の効きと血糖変動がうまく合わず、血糖値が下がりすぎてしまう「低血糖」です。ブドウ糖は脳のエネルギーであるため、あまりに低くなりすぎると昏睡を起こす危険性もあります。

そして、糖尿病と診断されている人に関わらずの大前提として、自分の体格・生活活動量に応じた「必要な食事」を摂り、運動なども取り入れながら、血糖の変動範囲をなるべく正常範囲に収めることが重要になります。

そして、治療やコントロールの目的は「細小血管も大血管もあわせて血管を丈夫に保ち、元氣にイキイキと一度きりの人生を楽しむこと」です。

 

 

 

◎知ってほしい1型糖尿病のこと

最初に少し触れた「1型糖尿病」は、高校生で発症した阪神タイガースの岩田稔投手の発信などもあり、少しずつ認知されてきましたが、まだ正しく理解されていないことも。

生活習慣病である2型とは異なり、関節リウマチ、膠原病などと同じく、自分の身体を自分の免疫システムが攻撃してしまう自己免疫疾患であり、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が攻撃対象となるため、インスリンを分泌することができなくなります。

いきなりインスリン分泌が枯渇する劇症型から、数年かけて枯渇する緩徐進行型まで、そのタイプは様々です。

発症原因は研究は進んでいますがまだ解明されておらず、膵臓や膵島移植、再生医療も期待されていますが、現状ではインスリン注射やインスリンポンプを使ってコントロールされています。

1型の患者仲間たくさんいて、色々と教わること多数。特に、私が発症間もない頃からお世話になっている能勢謙介さん、元エアロビック競技日本代表選手の大村詠一さんは、いつも前向きで情報をどんどん発信してくれる有り難い存在です。

『大村詠一さん』
ブログ http://ameblo.jp/loveaerobic/

『能勢謙介さん』
日本能率協会が運営するWebサイト「サラリーマン100選」での紹介記事
「逆張りの発想で病気さえもチャンスに変える。」

http://0-100jinzai.com/?p=156

『アークレイ 岩田稔選手応援サイト』
http://www.arkray.co.jp/iwata21/

~1型糖尿病を治る病気に!研究の応援をお願いします~
『特定非営利活動法人 日本IDDMネットワーク』
ホームページ http://japan-iddm.net/
FBページ https://www.facebook.com/jiddm.net/

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◎血糖モニタリングの重要性!

血糖値って、炭水化物の量だけで変動すると思っている方が本当に多いです。

そもそも血糖値とは「血液中のブドウ糖の濃度」を表し、常に変動しています。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギーであるため、なくなると「えらいこっちゃ!」ということで、体内にはブドウ糖を作り出して血糖値を安定化させる仕組みや(糖新生)ホルモン(アドレナリン、グルカゴンなど)があります。様々なストレス反応でも血糖が上がります

ブドウ糖を細胞に取り込んで血糖値を下げるホルモンはインスリンだけ。今のようにいつでもどこでも好きに食べ物を口にできる飽食の時代であり、ストレスフルな現代において、血糖値はだらだら上がりっぱなしだったり、ぴょこんと跳ね上がったり。インスリンがアワワワと追いつかないのが現状です。

そこで重要になるのが血糖自己測定(SMBG:Self Monitoring of Blood Glucose)で、現在様々なメーカーから多種多様な製品が発売されています。

—参考情報———————————–
『糖尿病セミナー6:血糖自己測定とは』
http://www.dm-net.co.jp/seminar/06/

『糖尿病リソースガイド(医療者向け情報)』
血糖測定器・ランセット 自己血糖測定器
http://dm-rg.net/1/005/011001/
—————————————–

20年以上患者生活を過ごしていまだに思うことは。。。

血糖測定めんどくさい!!!」ってことです。

ランセット(指先をパチンと針で弾いて血液を出す器具)と血糖測定のセンサーを準備してなんだかんだ1分くらい。昔は測定だけで1分待っていた訳ですから、随分進化しているのですが、一日に何度も測るのはやっぱりめんどくさい。

でも、ちゃんと測ることで意識は格段に高まります。現行の保険診療では、インスリン治療をしてない人は血糖測定器(測定用のセンサーも)の購入は自費になりますが、糖尿病予備軍や経口薬(飲み薬)の方で自費購入されている方も多くいらっしゃいます。

それでも、スマホの指紋認証のように「ピッとするだけで誰か測ってくれないか…」といつも思う訳です。

 

◎ツールは進化している

薬も測定機器も、糖尿病とともにイキイキすごすためのコントロールツールは、年々進化しています。特にこの10年前後の進化は計り知れないもので、薬の種類も増え、人間本来のインスリン分泌にできる限り近づいていきています。

測定ツールも同様です。画期的だったのは持続血糖測定・CGM(Continuous Glucose Monitoring)です。

SMBGはあくまで「点」の情報。寝ている間に低血糖が起きていないか、血糖値スパイク(短時間での急激な血糖上昇)が起きていないかは、四六時中血糖測定を行わないかぎり、なかなか把握できません。

正確には血糖ではないのですが、センサーを一定期間(1週間~2週間)装着し、皮下組織間質液中のグルコース濃度を測定し、機器によっては血糖の測定値との補正を行って、血糖モニタリングを行います。私も昨夏にiPro2というCGMをつけたことがあります(すぐ外れちゃいましたが……)。

—参考情報———————————–
『糖尿病リソースガイド(医療者向け情報)』
CGM:持続血糖測定器の特徴
http://dm-rg.net/1/016/
—————————————–

これからも新しいツールが登場すると思われますが、その一つである「FreeStyleリブレ」を試験的につけることになりました。

医療機関でCGMの役割としてすでに保険適用が始まっている「FreeStyleリブレPro」は「白リブレ」、私が試験的に使っているのは「黒リブレ」です。黒リブレはまだ保険適用前で、現状医療機関にサンプルとして配布されており、2017年1月17日から発売されるとのこと。いずれ自費での購入も可能になるそうです。

白と黒の違いや特徴は、大村さんの神記事をお読みくださいませ。

現在、使用中の「FreeStyleリブレ」について(大村さんブログ)
http://ameblo.jp/loveaerobic/entry-12232877359.html

使ってみてまだ数日ですが、実際、センサーをつけるのも簡単、ピッとセンサーに機器をかざすだけで、ダウンコートの上からでも測れる優れもの。

 

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しかし、間質液を測っているがゆえに、低血糖時や急激な血糖上昇時に、多少の誤差が見られるようです。また、前述どおり保険適用がいつからやねん、自費購入やといくらかかるねんはまだ公になっていないので、情報を待つのみ。最新情報がわかったら、随時こちらのHPでもお伝えする予定です。
こちらもぜひご参照ください!
Lovin’ the Life with Libre ~リブレのある生活~
https://www.facebook.com/groups/FreestyleLibreJapan/

 

◎誤解してはいけないこと

そもそも一人ひとり状態と状況は違うので、薬も機器も自分にあっているものを使い倒す、そのために自分の状況を正しく把握することが大切です。

私も色々な状況を設定し、リブレやCGMを活用して実験しようと思っています。寝不足、ストレスフル、食事抜き、おやつ、などなど……。

特に栄養士という仕事がら、食事は内容だけでなく食べ方含めて体感していくつもりです。こういう機器をつけると「血糖値がまったくかほとんど上がらない食事」を模索しがちですが、「体に必要な食事は摂る、その上で血糖値を必要以上に上げない」ことが目標です。

たまに、◯◯を食べたら血糖値がこれだけ上がったから危険だ、という記事なども見かけます。

その方のインスリン分泌能はどれくらいか?
抵抗性(インスリンの効きが悪くなること)はないか?
血糖を上げにくくする食材(水溶性食物繊維の多いもの)はあったか?
睡眠は?ストレスは?……などなど。

血糖変動の根拠が不明瞭のまま、結果だけが独り歩きするケースが多々あります。

本来、炭水化物(糖質)を体内に取り込み、エネルギーとして消費・貯蔵するメカニズムが体に備わっています。過度な糖質制限でいくら血糖値が下がっても、脂質、たんぱく質とのバランスが崩れる、エネルギー量が極端に減る、胃腸に負担をかけるなどの状態が続けば健康を害します。
繰り返しになりますが、「体に必要な食事は摂る、その上で血糖値を必要以上に上げない」ことが重要。

血糖モニタリングの機器は「適切な血糖変動を客観的に見極めるツール」です。

あくまで主役は患者自身

自分に合ったツールや食事療法を見つけるのは、長い人生を安全に楽しく歩くための「靴」を探しているようなものです。
靴ずれしたり、疲れやすい靴は続かない。頑張りすぎて無理に歩いても続かない、歩き方も大切です。

 

患者兼栄養士って言うとすごく模範生のように思われますが、フツーです(苦笑)
素敵な景色を眺めながら、素敵な人達と対話しながら楽しく歩くことを目標としています。

患者さんも、患者さんのご家族も、患者さんを支える医療者も、どんな人にも健康食育は必要。
HPの更新も滞っておりましたが、2017年はマイペースながらも、しっかり更新して参ります。

 

使ってみて気になったこと、食事での工夫などは、随時アップしていきます。
引き続き、よろしくお願いいたします!

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#freestylelibre #iddm #Diabetes